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マルコおいちゃんのドイツ生活ああだこうだ事典
≪Bar di Marco≫から旧名に復帰しました。  
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マルタ・アルゲリッチ(Martha Argerich)は、アルゼンチン出身の天才ピアニストです。だから本当はアルへリッチと発音しましょう。

 

彼女は非常に情熱的かつエモーショナルな演奏で有名です。それから有名なのが、いわゆるドタキャン。

 

十数年前、苦労して手に入れた彼女のコンサートのキップが、案の定無駄になった苦痛の記憶がわたしにもあります。まあ、どうせドタキャンであろうとあまり期待していなかった、それがよくなかったのかも知れません。



わたしの所有する彼女のCDのなかで個人的にベストと考えるのが、このミーシャ・マイスキー(Mischa Maisky)との競演盤です。

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去年の四月第一日曜日のことである。わたしたち家族は、妻の実家をたずねて帰宅する途中だった。

およそ350kmはなれた距離を、オート・バーンを走って普通は二時間半で帰れる。その日は六時過ぎに出発したから、いつもなら八時半には帰宅できたはずであった。ところがある事件のため帰宅したのはほとんど夜中の十二時近くになってしまった。

 途中およそ一時間半走って、道はちょうど小高い山がうねるように連なる一帯にかかっていた。片道三車線の一番左側の最速追い越し車線を走っていたわたしのアクセルに乗せた足が急に軽く感じられたとたん、排気筒から青白い煙が噴出し、エンジンはみるみる力を失っていった。

 何事かは不明ながら、エンジン・トラブルであることは確かであった。わたしはクラッチを切り余力で走りながら、右へ右へと二車線移動して路肩に駐車しようとしたところちょうどパーキング・エリアの入り口であった。

時刻はもうすぐ八時になろうとしていた。

オーバー・ヒートの可能性も考えて、駐車したあともエンジンを切らずにそのまま少し様子をみた。しかし温度計はノーマルな位置を指し示していたし、エンジンから煙も出ていない。

さっそくケータイでADAC(日本のJAFに相当)に電話をし助けを求めた。30分ほどで「Gelbes Engel(黄色い天使)といわれるADACの黄色に塗装された車がやってきた。そのヘルパーの見立てでは、どうもエンジンに燃料を過給するいわゆるターボが壊れているようだ、ということだ。だからエンジンそのものは回転するが出力がない。

車の心臓というべきエンジンに燃料を送り込む部分が壊れてはどうにもならない。ADACからレッカー車を手配してもらい家の近くの修理工場まで送り届けてもらうことになった。

パーキング・エリアから出発した時刻は、もう九時すぎになっていたと思われる。夏時間とはいえまだ春先のこと、あたりはもうすっかり暮れてしまっていた。

レッカー車はゆっくりと走って、修理工場に到着したのがおよそ十一時半、そこから家まで歩いて帰った。

それまで何の問題もなく働いていたエンジンがなぜ急に故障してしまったのか、わたしにはどうにも納得しがたい事態であった。

 翌朝、修理工場にたずねて修理を依頼すると、一週間は「入院」が必要だね、と冗談めかしていわれた。結局ターボをすっかり交換する必要があり部品取り寄せと修理費用をあわせて1500ユーロの出費であった。

 これだけではただの受難物語であるが、テーマはまだ他にある。

「乳猪」とは乳飲み子ならぬ「乳のみブタ」である。しかしレストランで「乳猪」といえばこれすなわち「焼乳猪」、つまり「子豚の丸焼き」のことである。

 

ややこしいのは広東語で「焼」は「炙る」こと、北京や北方では「煮る」ことである。前回の「紅焼肉」の「焼」は、北方語であることがここでわかる。

 

「焼乳猪」の「焼」は、北方語では「烤」である。

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古代から綿と伝わるという由緒正しきシナ料理の王道を歩く料理がこれである。

 

お察しの通り元来は祭祈用に具されるものであるが、香港・広東では結婚式に欠かす事のできないめでたい一品である。ゆえに香港・広東系のレストランではおおよそ常時食せる、と考えてよろしい。

 

しかし日本ではあまりお目にかかれなかったし、ドイツにもない。「乳猪」と銘はうっていても、ただの親豚の肉のキレッパシをオーブンでローストしただけの物が多く失望させられる。

 

そのインチキさ加減は「北京ダック」に似ている。ドイツで本物の「北京烤鴨」にお目にかかったことがないし、もちろん口福にあずかったこともないのと同様である。

 

この「乳猪」の美味さ加減の基準は、「北京烤鴨」とほぼ同じ、つまり皮がパリパリであること、肉はあくまでも柔らかくジューシーであること、これにつきる。

 

だから皮がねっとりとしていたり、肉がパサパサで噛み切れない、などという「乳猪」や「北京烤鴨」などがテーブルに出てきたら、シナ人ならこう叫ぶであろう。

 

「こんなもの、日本人にでも食わせておけ!」と。

 

だから諸君もそのシナ伝統料理の王道であるこの「焼乳猪」のことをよくよく理解しておいてもらわねば困る。

さきに登場してもらったことのあるナポリの友人である。彼女はやっと定職を得て北イタリアに赴任していったことは述べた。( もう晩秋の気配 )

 

イタリアで定職を見つける事の困難さを日本人の皆様は想像もできまい。

 

彼女は、大学卒業後十余年にして初めて定職を得たのである。その悦びや如何、とこれは容易に想像できるであろう。

 

しかも教職である。公務員である。だからその困難さは非常なものがあったのである。十余年来、彼女は教職希望のウエイテイング・リストにその名を連ねていた。

 

そしてそのリストの上位者から順に職をえてゆくというシステムだそうな。そのためには離島での臨時教師をして点数をかせぎリストのランキングを上昇させねばならなかった。

 

またそれだけでは家計の用に充分ではなく、旅行者相手のイタリア語講師などもして日銭を稼いで来もしたのである。

 

元来、故郷の近くで職を求めていたが、そうもうまくはゆくものではない。ナポリから列車で8時間の北イタリアの辺鄙な養護学校に空きが出て、迷った末にやっとのことで決心したらしい。

 

その結果の文化衝突的居心地の悪さが彼女にあったことは、すでに述べた。

 

しかしその後、ハナシを詳しく聞いてみたところ実に興味深いものであったので、ここに紹介する。

 

その学校には、ある臨時雇いの女性教師がいて彼女が得た職をもとから狙っていたのだという。

 

そして言うには、貴女のせいで私はその職を得られなかった。わたしにとってその職がいかに大事なものであるか貴女にはわかるまい。あなたなんかまたナポリへ帰ってしまえばいいのだ。

 

と、面と向かって直接はげしい言葉で言ったのだという。

 

日本人のあなたには想像もおつきにならないであろう。ナポリ人の彼女も深く傷ついたそうだ。

 

だがしかし、このハナシを聞いたわたしは思わず妻と顔を見合わせてしまった。そして妻もまさにわたしと同じ事を考えている事を察したのである。

「紅焼肉」(ホング・シャオ・ロウ)とは「豚肉の角煮」あるいは「東坡肉」、また沖縄では「ラフテー」といわれるもののことである。シナ語で「紅焼」とは醤油で煮込んだ色合いを示している。また「肉」といえばすなわち豚肉のことであってそれ以外ではない。牛や鶏なら「牛肉」「鶏肉」、あるいは人なら「人肉」とかならず書き表す。それほど豚肉はシナでは普通の肉なのだ。

 

「東坡肉」とはもっぱら杭州のそれを指す。食通でもあった詩人の蘇東坡がその地方の知事をしていたころ編み出したといわれているからだ。

 

この「紅焼肉」は毛沢東の大好物だったといわれている。毛はそれを食べぬと脳が働かぬ、といって毎食でもそれを要求したようだ。

 

しかしあまり健康食品とはいえない。もちろん脂肪のせいである。なぜなら普通は「三枚肉」とよばれる脂肪と赤みが交互に重なったバラ肉を使用するからだ。ちなみにシナ語ではそれを「五花肉」(ウー・フア・ロウ)という。こちらのほうが文化的な香りがする。さすが豚肉食大国世界一だけのことはあるな。こと食う事にかけては一枚も二枚も上手なのである。


wuhuarou.jpg五花肉

 
























作り方はきわめて簡単。

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