マルコおいちゃんのドイツ生活ああだこうだ事典 |
≪Bar di Marco≫から旧名に復帰しました。 |
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一月六日は、ドイツでは「Die heiligen drei Könige」(聖なる三人の王たち)として南のカトリックの州は公休日ですが、ことしはあいにく日曜と重なって一日休日を損した模様。ちなみに日本のような振り替え休日制はありません。
イタリアはもっとひどく、休日を強引に週末に重ねてしまうそうです。そうでもしないと、たとえば木曜が休日だと、金曜をかってにやすんで日曜までの連休にしてしまうからだとか。
イタリアでも、一月六日は「Epifania」(公現祭、ギリシア語のἐπιφάνεια, epifaneia「現れ」に由来する)といって祭日ですが、これがクリスマスより重要な祭日らしいのです。
たしかにイエスが誕生しただけではただの子供が生まれたにすぎませんが、いわゆる「東方の三博士」(これがドイツでは王たち、となるわけです)によって「神の子」誕生という奇跡的現象として聖別されてはじめて、その意義があるわけですから、これはそこにそれなりのロジックを認めざるをえません。
ここからもクリスマスが、ゲルマン族の冬至祭(太陽の復活を祝い願う)としてだけ重要であることがわかります。イタリアにはモミの木も雪ゾリもありませんから、ね。また冬至を祝う理由もありません。だってイタリアには太陽はありあまっているほどですから。
≪夢想千一夜≫の<【【第二十八夜】 百年の夕日>
でふれたモネリアについていろいろ想い出してしまったので、ここで若干の補足を。
モネリア(Moneglia)は、地図を見ていてよさそうなところだと考え、当時ドイツに来たばかりで、ぜいたくな旅をするほど経済的な基礎がなく、じゃあキャンプでもしようかと選んだ場所でした。
東リビエラと俗称されていますが、イタリアではリグリア地方(Liguria)と呼ばれています。山が海岸にせまり、上記本文でもふれましたが、いわゆる裏日本とよばれる地方にも地形が似ています。それゆえ経済的には貧窮していた歴史があり、松の実なども食せざるをえなかったということでしょう。
しかし英語で「Ligurian Pesto」(ちなみにイタリア語では「pesto alla genovese」ジェノヴァ風ペースト)とよばれるこの地方独特の調味料は、パスタにあわせても、パンのペーストとしてもその風味は他にかえがたいものです。
spaghetti alla pesto
先週15日の水曜日深夜二時半頃、通報により駆けつけた当地警察がドゥイスブルグ中央駅近くで車の中の5人の射殺体と路上に1人の瀕死の男を発見した。瀕死の男は病院に運ばれる途中に死亡。
発見場所
男たちはのちにすべてイタリア人で16歳から39歳の一家族とイタリア警察当局からの情報で判明、すべて頭を打ち抜かれていた。
発見された場所がちょうどイタリアン・レストランのすぐ前ということでその関連性が疑われた。
しかしどうもカラブリアはサン・ルカという小さな村出身の二家族間の争いと判明。最初は冗談で始まったものが殺人に至ったらしい。殺された家族側の報復が囁かれている。
サン・ルカ村
カラブリアは、シチリア、ナポリとならぶマフィアの故郷、(カラブリアのものはNdrangheta-Clansという)この対立する二家族もどうやら「関係者」らしい。
ドイツとイタリア警察当局もそれぞれ非協力を非難しあっており、ドイツを舞台にしたマフィア同士の抗争は住民をますますおびえあがらせている。
続報によれば、件のレストランと事件の関係は大ありで、なんと殺された6人すべてがこの店の従業員だったそうです。
しかもそのうちの一人の誕生日パーティが前の晩にその店であったそうで、とんだ誕生日プレゼントだったというわけです。
しかもこの店のオーナーの姓は、抗争中の「ファミリー」の名前の片方と一致するそうです。そしてこの店は以前から「マネー・ローダリング」の噂もあったということです。ますます匂う。
イタリアン・レストランの前でイタリア人が殺された、じゃあなんか関係あるぞ、という庶民の感覚どおりの事件解明の成り行きです。
カラブリアには約100の「ファミリー」があり、7000人の構成員がいるとか。各「ファミリー」平均7人。まさにファミリー・ビジネスというところでしょうか。しかし一家族6人減少したので、99「ファミリー」になってしまいました。
小規模経営とはいえ年収3500万ユーロを売り上げるという業界、そのなかでも強力な「ファミリー」は今回殺害された者たちの故郷、サン・ルカの者たちだということ、いよいよ黒社会内部での抗争説が強まっています。
事件があったと思われる時間、二人の男が現場から遠ざかるのが監視カメラにより撮影されていたとか。一日も早い被疑者逮捕が望まれます。
6人が乗っていた車の中は、被害者がすべて頭を撃たれたため出血がひどく血のバスタブのようだったということです。このような血の抗争が早く止む事を堅気衆は願っているのですが・・・。
「Gewürztraminer」とは、イタリアは南チロル(イタリア語ではアディジェ川上流を意味する「Alto Adige」)地方を貫く「Weinstrasse,ワイン街道」にある小さな村・Traminを原産地とするマスカット種を原料に生産される白ワインです。
註、南チロルについてはイザ版の
http://marco-germany.iza.ne.jp/blog/entry/236001/
をご参照ください。
この地はドイツ文化圏にあるため、ワインの趣向もドイツ人好みのようです。
つまり、イタリアの白ワイン、たとえばピノ・グリッジョなどのきりっと、またさっぱりとした味わいとはことなり、腰のしっかりとした体格のある濃い味わいです。
また「Gewürz」(スパイス)と名が冠せられるように香りの高い白ワインです。
「ワイン街道」の名のごとく、東西を二千メートル級の山々にはさまれた谷あいの、しかしかなり開けた地域であるため、その地一帯は一面のワイン畑です。
この地で生産された「Gewürztraminer」は特に名高く、ドイツ人に珍重され、そのコピーもドイツ各地で生産されているほどです。
このたびその故郷を訪ね、思いのまま現地のものをいただく機会を得たわけです。
ご存知のようにワインは旅を嫌います。それゆえその原産地で味わうのが最高とされていますが、今回はその贅沢をしっかりと堪能してきました。
もちろんバールやレストランではグラス一杯2ユーロ程度のものが普通であるわけですが、たぶんそれは一本8ユーロ程度のクラスであろぅと思われます。
ワイン一本に30ユーロ以上出資するほどの数寄者ではないので、それで十分なのです。充分に美味でありました。
空気の甘く澄んだ高原の気があふれるワイン畑をみおろすレストランでゆっくりグラスを傾けるその至高の時。ゆっくりと流れるその時を味わうのも旅の楽しみなのですね、これが。
どうです、うらやましいでしょう?うふふ・・・
吾輩はなにが嫌いといって、アメリカン・コーヒーほど嫌いなものはない。
あんな泥水のようななま薄いものを、がぶ飲みするくらいなら死んだほうがましである。
コーヒーという語感も好かん。
カッフェでなければいかん。ドイツのKafeeもよろしくない。量を消費する仕掛けが気に喰わん。
つまりエスプレッソこそ、カッフェであるのはイタリア人と同じである。
少ないがきついカフェインをさっと供給する。胃のもたれもない。
しかし、イタリアではなく「野蛮人の国」と呼ばれるドイツくんだりに住む情けない身の上、「ちょいとそこのBarへカッフェを飲みに」というわけにはまいらん。
そこでこんな機械を使用してみた。
そこそこのものはできる。がしかし、あの本式のマッキナ(machina, 機械)が抽出するエスプレッソの香りがいまいちないのが不満である。
というわけで、イタリアの友が送ってくれたのがこれである。
これもマッキナという。しかも家庭ではみんなこれでカッフェを沸かすのだから、いわば本モノである。
上下二つにわかれた容器の中間にフィルターがあり、そこにカッフェ・パウダーをギュッといれこむ。下の容器に水を入れ、火にかける。
沸騰すると熱湯がフィルターのカッフェを漉し出して、上の容器にたまる。
実にすぐれた仕掛けである。マッキナの名に恥じない。
友の家に泊まると、朝このマッキナでつくるカッフェの香りで眼が覚める。
その気分を家でも味わえる、うふふ。諸君もカッフェを飲むなら是非、このマッキナを使用した方が良いと思うよ。