マルコおいちゃんのドイツ生活ああだこうだ事典 |
≪Bar di Marco≫から旧名に復帰しました。 |
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「紅焼肉」(ホング・シャオ・ロウ)とは「豚肉の角煮」あるいは「東坡肉」、また沖縄では「ラフテー」といわれるもののことである。シナ語で「紅焼」とは醤油で煮込んだ色合いを示している。また「肉」といえばすなわち豚肉のことであってそれ以外ではない。牛や鶏なら「牛肉」「鶏肉」、あるいは人なら「人肉」とかならず書き表す。それほど豚肉はシナでは普通の肉なのだ。
「東坡肉」とはもっぱら杭州のそれを指す。食通でもあった詩人の蘇東坡がその地方の知事をしていたころ編み出したといわれているからだ。
この「紅焼肉」は毛沢東の大好物だったといわれている。毛はそれを食べぬと脳が働かぬ、といって毎食でもそれを要求したようだ。
しかしあまり健康食品とはいえない。もちろん脂肪のせいである。なぜなら普通は「三枚肉」とよばれる脂肪と赤みが交互に重なったバラ肉を使用するからだ。ちなみにシナ語ではそれを「五花肉」(ウー・フア・ロウ)という。こちらのほうが文化的な香りがする。さすが豚肉食大国世界一だけのことはあるな。こと食う事にかけては一枚も二枚も上手なのである。
五花肉
作り方はきわめて簡単。
1.適当な大きさ(つまり土鍋にあわせた)に切った皮付き「三枚肉」をまず軽く表面を炒める。
2.土鍋で酒、醤油、氷砂糖、水それぞれ適量を加え煮込む。(大匙とかカップ何杯とかはあえて述べぬ、あくまで自分の味覚にあった量でよい。初めて作られる方はまず失敗してみてその後改めるがよかろう。)
3.その他、臭み止めに八角、ショウガ、ニンニク、葱なども好みで入れると良い。わたしは八角をかならず投入する。
4.およそ2時間ことこと煮込めば完成である。
これだけ煮込むと脂肪分も適当に煮出されて肉自体にはそれほど残らない。また皮もやわらかくなり食べやすい。貴重なコラーゲンであるから残さず食べよう。
豚肉にはヴィタミンB12が含まれ神経を和らげるから、毛沢東の言は俗説であろうが、頭を多く使用して神経が疲労した時に食すとよかったのかもしれない。なおヴィタミンB12は、野菜には含まれないので菜食主義者はこまるでしょうね。仏教徒は当然菜食主義でなければならぬが、まあそういうわけでヴィタミン摂取のため多めにみていただこう。
というのいも基本的に肉食をしないわたしは、時にこの「紅焼肉」が無性に食べたくて仕方のないことがある。つまり身体が必要としているのだ、と言い訳をしてそそくさと調理にかかる。
今回の風邪は非常に長引きもう二週間にもなるのにまだ完治しない。どうも今年のインフルエンザは強烈である。しかも男は長引くが女は軽くすむようだ。いったい今年の風邪はなにを考えているのであろう?きっとメスのビールスなのであろう。まったくふざけた奴である。
いや、つい怒りが噴出してしまった。もういいかげんに出て行ってもらいたいのだ。
しかし今や食欲が出て無性に「紅焼肉」が食べたい。じつは昨夜もう作った、そして今日のお昼の弁当はそれなのである。さあ、これから気分良く食すことにしよう。うふ、ふふ。