マルコおいちゃんのドイツ生活ああだこうだ事典 |
≪Bar di Marco≫から旧名に復帰しました。 |
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シンケン(Schinken)とは、日本語ではハムである。
ハムとは、ブタの腿肉のことであって、それ以外の部分でこさえた加工肉は、ハムと称しては(元来)ならぬ。
のだが、日本ではそこがいい加減で困る。プレス・ハムなぞという寄せ集めの肉を圧縮したものまで、ハムと銘打って商売するのだから剣呑だ。
さて、ドイツでは、腿肉だけをシンケン(Schinken)として売っておる。
二種類あって、塩漬け陰干し(さらに燻製するものもある)した「Rohschinken」か、茹でたもの「Kochschinken」である。
以下をご参照に、
http://de.wikipedia.org/wiki/Schinken
今回は、「Rohschinken」について、いささかのウンチクをかましてみよう。
しかし、はっきりいってドイツのものは、この分野ではサラミ同様にイタリア産のものには味・風味ともに、まったく太刀打ちできない。
そう、「Prosciutto」である。
「Rohschinken」のように塩漬け陰干しのものを、「Prosciutto crudo」という。(ちなみに茹でたものは、「Prosciutto cotto」という。)
この「Prosciutto」は、パルマ(Parma)のものがあまりに有名であるな。またその名にたがわず、じつに美味である。ほとんど生にちかい、そのなまなましい肉の赤と、やんわり、ねっとりとした舌触り。その薫り。どれをとっても一級品の名に恥じない。
このプロシュット・ディ・パルマは、スペインの、かのハモン・セラーノ(Jamon Serrano)、およびシナの金華火腿(ハム)と並んで「世界三大ハム」と称されるそうな。
しかし金華火腿は、調理用、とくにスープだしをとるためのものであって、スライスしてそのまま食すにはショッパすぎるのである。
フランスにもこの分野での名品があるのであるが、名前は知らぬ。ただよくスーパーでスライス・パックがうっておるので、たびたび食しておる。
しかし、ドイツにもまあまあの生ハムがある。「Schwarzwälder」である。そうあの黒い森・シュバルツ・バルド地方産のものである。金華火腿ほどではないが、これもかなり塩がきついので、薄く、あくまで薄くスライスして食するのである。
嗚呼、欧州の食生活を彩ってくれる、これらの生ハムに乾杯!