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マルコおいちゃんのドイツ生活ああだこうだ事典
≪Bar di Marco≫から旧名に復帰しました。  
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東独の国境では、もう日が暮れていた。国境警備員と税関職員がきて、ヴィザを売る。さていくらくらいであったものか、あまり記憶にない。三千日本円ほどであったろうか?

 

しかしそのクールな手際のよさ、さすがドイツと、感心した。

 

ベルリンに到着したのは、その日の夜遅くだった。

 

街は暗くほとんど灯りも見えない。

 

フリードリッヒ・シュトラーセ駅が「国境」になる。そこは「壁」の駅である。

f9fc7ef5png

 











http://www.berlinonline.de/citymap/map.asp?sid=f80432802895de5f28199e0648bcc438&ix=1059&iy=1251&grid=dedatlas10



長い停車をする。

 

マシンガンを抱え、シェパードをひきつれた国境警備隊員がねんいりに各車輌をチェックしていく。

 

西への逃亡者を警戒しているのだ。

 

座席の下、コンパートメント上の天井、人の隠れられそうな場所は虱つぶしにチェックしていく。

 

その軍用犬のはく鼻息が大きく車輌に響く。みんな息をひそめているからだ。

 

ホームの上方の金属製のブリッジにもマシンガンをもった隊員が行き来している。ことあらばすぐ発砲する構えである。

 

そのマシンガンが電燈を反射してにぶく光った。軍靴のコツコツという音が駅のホールに響いた。

 

ながいながい時間が経過したように思われたが、正味十数分であったかも知れない。

 

やっと国境警備隊員が去って、列車は次の停車駅、西ベルリン最初の駅、ゾー(Zoo)にむかってゆっくりと走り出した。

 

1985年5月であった。

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無題 
かわいいワンコと、こんな出会いをしたくはないですね。
やだなぁ、キバ剥いてるんだろうかぁ。
近所の河川敷で警察犬の訓練見物しているのとはワケがちゃいますねー。

2007.05.23 22:01 Posted by scopedog | Edit
走狗というものは 
自分側にあるときだけ可愛いものですね。
2007.05.23 23:26 Posted by マルコおいちゃん | Edit
精鋭揃いの 
国境警備隊員の皆さんは東西独統一後はどのような職種に転職されたのかしら・・・
やっぱ警察か軍隊?
2007.05.24 01:41 Posted by みちこ | Edit
おそらく 
車両の床下や乗務員室も調べられたのでしょう。
さて、ウォークマンは無事だったのか?
諜報員と間違えられたりしなかったのか。
そもそも手荷物検査は、あったのか?
2007.05.24 03:20 Posted by nihonhanihon | Edit
さて 
次は「生き返る」のかそれともまたひと波乱があるのか。
2007.05.24 15:00 Posted by nihonhanihon | Edit
転職は、まあ自然と 
納まるところへ納まったのでしょう。
2007.05.24 15:48 Posted by マルコおいちゃん | Edit
手荷物検査は 
ありませんでした。
人の逃亡を警戒していただけのようです。

もう終点ですから、一波乱はないでしょう。
2007.05.24 15:50 Posted by マルコおいちゃん | Edit
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