マルコおいちゃんのドイツ生活ああだこうだ事典 |
≪Bar di Marco≫から旧名に復帰しました。 |
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あたしは、バーバリーのレイン・コートを愛用している。
オリーブ色のステン・カラーである。
それは叔父の形見として叔母よりいただいたものだ。もう20数年前のことである。
それよりずうとお世話になっている。なんの不満もない。
雨と風をしっかりと防いでくれる頑丈でしかも軽いコートである。
一度として手ばなそうと思ったことはない。しかし、息子が望むなら与えてもよいとは考える。
それまできっと丈夫で、あたしの残りの人生につきあってくれるだろう。
今日、バーバリーがシナの品質基準を満たしていないとして上海の店からの撤去を勧告されたそうだ。
きっと偽のバーバリーだろう、とまず思った。
あるいは、シナの品質基準のほうこそ不合格であろう、考えた。
しかし、どうせ政治的動機によるものであろう、とさらに考えた。
卑劣なやり口である。
あたし自身が侮辱されたようにも感じた。
この侮辱は生涯忘れまいとも思った、そしてバーバリーのコートを息子に手渡す際、必ずこのことを息子に告げようと思う。
そのころは、もうシナでは今の政権は消滅しているやも知れぬ。
それならば、なおよい。
愚劣な政府がシナにあったこともついでに語り継ごう。
そしてバーバリーのコートは、シナの政府より品質において優れることも。
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