マルコおいちゃんのドイツ生活ああだこうだ事典 |
≪Bar di Marco≫から旧名に復帰しました。 |
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チャップリンの映画≪独裁者≫は、ヒトラーをおちょくったことで有名ですが、そのなかにヒトラーをパロってドイツ語風のわけのわからない言葉とヒトラー独特のアクセントで演説をする名場面があります。
その中でひとこと「ウィンナー・シュニッツエル・ミット・ザワークラウト」とはさんでドイツ語らしさを演出(?)するという場面がありました。
それは「ウィーン風カツレツ、ザワークラウト添え」というわけですが、それほどポピュラーなドイツ(オーストリア)料理です。
すなわち「シュニッツエル」(Schnitzel) 即「カツレツ」(Kotelett)ではあるのですが、じつは「シュニッツエル」が調理法で「カツレツ」は「あばら肉」という意味なんです。
つまり日本語で言う「カツレツ」は本来素材名であったものを調理法に代用しているわけです。あるいは誤解していると言うべきでしょうか?
で、どこがウィーン風かといえば子牛のあばら肉ではなく腿肉や肩肉を薄く切ってさらに薄くたたきのばしてパン粉をつけて油であげる、というものです。
ウィーン風
ミラノ料理で有名な、「Cotoletta alla Milansee」(ミラノ風カツレツ)がまさにそれと同じですが、しかしミラノでは骨付きの本当のカトレットすなわち「あばら肉」を使用するのが本格なようです。
ミラノですから油はバターを使用します。
ミラノ風
ながくハプスブルク・オーストリア帝国に支配されたロンバルデイア地方ゆえにウィーン風が定着したのでしょうか。それともミラノ風がウィーンに伝染したのでしょうか?謎は深まるばかりです。どなたか真相をご存知ありませんか?
しかしそこから見ると、関西にあるという牛カツはただしく「カツレツ」の伝統をひくものかも知れません。
しかし豚肉好みのドイツ人は、豚肉を主に使用してこの「シュニッツエル」をつくります。ウィーン風に大きくたたき伸ばすのではなく、うす切にしてすこし叩くという程度でしょうか。
そしてドイツの「ウィーン風カツレツ」はなぜかいつも二枚給されるのです。
小さいのを恥じてのことでしょうか?そしてウィーン風にはない付け合せは、ザワークラウトならぬ例のポメスとだいたい決まっています。
そして、ドイツ人が「なんだか食欲がないなあ」とか、「おいしいものを食べ過ぎたなあ」なんてときに食すのがこの「ウィーン風カツレツ」なのです。
今回の休暇中も、メニューに食べたいものがないとき、わたしもこれを二度ばかり食しました。さすがにオーストリア文化圏にある南チロルは本当のウィーン風、ということはなくまったくのドイツ風でしたが、けっこう美味でした。
さて豚カツについてのべるスペースがなくなりました、続きは次回にて。