マルコおいちゃんのドイツ生活ああだこうだ事典 |
≪Bar di Marco≫から旧名に復帰しました。 |
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一月六日は、ドイツでは「Die heiligen drei Könige」(聖なる三人の王たち)として南のカトリックの州は公休日ですが、ことしはあいにく日曜と重なって一日休日を損した模様。ちなみに日本のような振り替え休日制はありません。
イタリアはもっとひどく、休日を強引に週末に重ねてしまうそうです。そうでもしないと、たとえば木曜が休日だと、金曜をかってにやすんで日曜までの連休にしてしまうからだとか。
イタリアでも、一月六日は「Epifania」(公現祭、ギリシア語のἐπιφάνεια, epifaneia「現れ」に由来する)といって祭日ですが、これがクリスマスより重要な祭日らしいのです。
たしかにイエスが誕生しただけではただの子供が生まれたにすぎませんが、いわゆる「東方の三博士」(これがドイツでは王たち、となるわけです)によって「神の子」誕生という奇跡的現象として聖別されてはじめて、その意義があるわけですから、これはそこにそれなりのロジックを認めざるをえません。
ここからもクリスマスが、ゲルマン族の冬至祭(太陽の復活を祝い願う)としてだけ重要であることがわかります。イタリアにはモミの木も雪ゾリもありませんから、ね。また冬至を祝う理由もありません。だってイタリアには太陽はありあまっているほどですから。
今年も、いつものように六日の晩、ナポリの友人へ電話をして「エピファーナ」の祝いをのべました。ところが彼女が電話でしきりにいうのは例のゴミ騒動のことばかりでした。
どうもカモラ(Camorra、ナポリのマフィア的組織、マフィアはシチリアのみ。日本での報道は誤解だらけ)の利権がらみの裏があるとか。それゆえに根本的解決はむつかしいだろう、とのこと。
それでももう道中にゴミがあふれ学校も休校になる騒ぎらしく、二人の子供の母としてはカオスのおさまらない故郷をすてて、もっと安全で暮しやすい場所に引っ越そうか、と考えているとのこと。
故郷と家族をたいせつにするイタリア人としては、そこまで考える事はかなりの深刻さと思わざるをえませんでした。
神と悪魔が同居する、といわれるナポリ、わたしの大好きな街の一つですが、なんとか正常化してほしいと願うばかりです。